疥癬集団発生の2事例

書誌事項

タイトル別名
  • Two epidemic outbreaks of scabies
  • カイセンシュウダン ハッセイ ノ 2 ジレイ

この論文をさがす

抄録

疥癬集団発生の2事例を経験した.事例1では老人保健施設より持ち込まれた角化型疥癬からの院内感染により,入院患者12名と看護師2名が感染した.発端者の角化型疥癬患者は前医にて天疱瘡と診断,治療されていたために正確な診断が遅れ,院内集団発生の終息までに約2か月を要した.発端者は6回の内服治療後も検鏡陰性とならずに死亡した.また発端者が入院前に入所していた老人保健施設においても7名の疥癬患者が確認された.事例2では児童養護施設における集団感染により,小学生から成人までの入所者20名,施設職員の家族2名と隣接する児童福祉施設の入所者1名が感染した.感染者はいずれも内科的基礎疾患を認めず,多くは前医にてアトピー性皮膚炎として診断,治療されていた.いずれもステロイド薬の内服が感染拡大のきっかけとなっており,正しい早期診断の重要性を再認識させる教訓的な事例であった.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ