鼓膜チューブ挿入を契機に診断に至った側頭骨内髄膜脳瘤の1例

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タイトル別名
  • A case of temporal meningoencephalocele presenting with persistent otorrhea following tympanostomy tube insertion

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抄録

症例は10年前に両側鼓膜チューブ挿入の既往がある60歳女性。左のみチューブ脱落後の滲出性中耳炎再発との診断のもと鼓膜チューブ挿入を行ったところ,水様性耳漏が遷延した。CT,MRIにて髄膜脳瘤が疑われ,髄液漏停止を目的として経乳突法により髄膜脳瘤切除と脂肪充填を施行した。術後2年の時点では再発を認めていない。側頭骨内髄膜脳瘤は一般に無症状であり,髄液耳漏を伴えば滲出性中耳炎に酷似する。髄膜炎を発症することもあり,これらが診断の契機となる。根治的治療は手術での髄膜脳瘤の整復もしくは切除である。今回用いた経乳突法による脂肪充填では,耳鼻科医が習熟した操作により安全かつ確実に髄液漏の停止が達成できる。

収録刊行物

  • 頭頸部外科

    頭頸部外科 26 (1), 103-108, 2016

    特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会

参考文献 (8)*注記

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