前庭階に人工内耳電極挿入を行った髄膜炎後難聴の1症例

  • 丹羽 一友
    横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
  • 佐久間 康徳
    横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科
  • 折舘 伸彦
    横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Scala vestibuli cochlear implantation after meningitis

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抄録

髄膜炎による鼓室階の骨化に伴う両側性難聴の児に対して,前庭階に人工内耳電極を挿入し,良好な装用閾値が得られた1症例を経験した。患児は0歳5か月時に細菌性髄膜炎を罹患後,難聴を認めた。術前の画像評価で蝸牛,特に鼓室階の骨化が示唆された。1歳11か月で右人工内耳埋込術を施行,鼓室階が骨化により閉塞していたため前庭階を開放し,電極を挿入した。髄膜炎後難聴では内耳骨化をきたすことがあるため,早期に画像評価を行い,骨化の程度およびその部位を十分に検討する必要がある。内耳骨化で鼓室階に電極が挿入困難な場合は,前庭階へ挿入することも視野に入れ手術に臨むべきである。

収録刊行物

  • 頭頸部外科

    頭頸部外科 26 (1), 97-101, 2016

    特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会

参考文献 (4)*注記

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