硫黄含有石油コークス由来の酸化活性炭による水中のNi（II）吸着除去

• 根本 康成

  千葉大学大学院工学研究科

• 飯塚 喜啓

  コスモ石油株式会社 中央研究所

• 渡辺 克哉

  コスモ石油株式会社 中央研究所

• 天野 佳正

  千葉大学大学院工学研究科 千葉大学総合安全衛生管理機構

• 町田 基

  千葉大学大学院工学研究科 千葉大学総合安全衛生管理機構

書誌事項

タイトル別名

• Adsorptive Removal of Ni(II) from Water using Oxidized Activated Carbon Derived from Sulfur Containing Petroleum Coke
• イオウ ガンユウ セキユ コークス ユライ ノ サンカ カッセイタン ニ ヨル スイチュウ ノ Ni(Ⅱ)キュウチャク ジョキョ

抄録

本研究では，活性炭の細孔構造が酸化処理後の活性炭の金属陽イオン吸着におよぼす影響を調べた．活性炭は石油コークス（PC）を原料として調製し，得られた活性炭に残った硫黄が酸化されて金属陽イオン吸着に優位なスルホ基が生成するかについても検討した．水酸化カリウム（KOH）/PCの質量比1–3，賦活温度400–850°Cおよび賦活時間0.5–2.0 hの条件でPCをKOH賦活して活性炭を調製した．得られた活性炭の比表面積および総細孔容積はそれぞれ510–1,890 m²/gおよび0.25–1.07 cm³/gと広い分布幅が観測された．調製した活性炭および硫黄を含まない市販の活性炭を濃硝酸を用いて同一条件で酸化した．調製した酸化前の活性炭の比表面積の増大とともに酸化後の活性炭のNi（II）吸着量も直線的に増加し，比表面積が1,000 m²/g以上におけるNi（II）吸着量は3.5 mmol/gで飽和に達した．酸化した市販の活性炭は溶液の平衡pH 1においてNi（II）を吸着しなかった一方，調製した酸化活性炭はpH 1においてもNi（II）を吸着した．この結果から硫黄を含有する石油コークスを原料とすることで，表面の一部にカルボキシ基だけでなく，強吸着サイトであるスルホ基を有する酸化活性炭を調製できることが示唆された．

収録刊行物

• 化学工学論文集

  化学工学論文集 42 (4), 142-147, 2016

  公益社団法人 化学工学会

キーワード

• 活性炭
• 酸化
• 重金属吸着
• スルホ基

詳細情報

• CRID: 1390001204512828160
• NII論文ID: 130005165833
• NII書誌ID: AN00037234
• DOI: 10.1252/kakoronbunshu.42.142
• ISSN: 13499203
• ISSN: 0386216X
• NDL書誌ID: 027556332
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I027556332
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakoronbunshu/42/4/42_16wh009/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可