植物抽出液を用いた樹木害虫獣対策の検討

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タイトル別名
  • Study of a tree vermin prevention using a plant extract

抄録

キバナオランダセンニチは熱帯アメリカを原産地とするキク科の植物で、同種の抽出物は、歯痛止めや解熱、抗痙攣等の効果が確認されている。また、特有の強い辛味から食品添加物としても用いられている。本検討では、特有の強い辛味に着目し、当抽出物が造林木や緑化木に影響を及ぼす鳥獣や昆虫に対する忌避剤となり得るか検討した。検体は、同種から得た抽出液(小川香料株式会社製:以下、検体)を使用した。対虫効果試験として、検体をユウマダラエダシャク(以下、エダシャク)による食害を受けたマサキに散布し、散布後の経過を観察した。対獣効果試験として、鉢に移植したヒノキ2年生苗をシカの食害が顕著な林内に配置して、検体を散布し、1週間毎の被食状況を調査した。対虫効果試験では、散布直後、検体に接触したエダシャクの幼虫が地面に落下・死亡した。その後、未散布区では食害が進行したが、散布区はマサキの新芽が展葉し、樹勢に回復の傾向が見られた。対獣効果試験では、未散布区は2週間で全ヒノキ個体の枝先全てが被食された。散布区でも被食は見られたものの、同区に設置した未散布個体も含めて1ヶ月間で枝先全てが被食された個体は20%だった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680682089216
  • NII論文ID
    130005166523
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_595
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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