サクラ系統へのサクラ類てんぐ巣病菌接種試験: 接種2年目の経過

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Inoculation of ornamental cherry trees with <i>Taphrina wiesneri</i>: symptoms two years after inoculation

抄録

サクラ各系統へのサクラ類てんぐ巣病の確実な接種方法を開発するため,サクラ類3種と2栽培品種(エドヒガン・オオシマザクラ・ヤマザクラ・‘染井吉野’・‘十月桜’)について2014年2-3月に罹病枝を接木し,経過を観察した。エドヒガンに接木された‘染井吉野’及び‘十月桜’罹病枝の芽は全く伸びず活着せず,ヤマザクラに接木された‘不断桜’罹病枝の芽は接木した当年には伸びたものの2年目には接穂が枯死し、これら2種の台木・穂木とも異常分枝の病徴を示さなかった。オオシマザクラと‘染井吉野’に接木された‘染井吉野’罹病枝、及び‘十月桜’に接木された‘十月桜’罹病枝は活着し、接木当年と2年目に子実層を持つ罹病葉が形成された。これら3系統の台木に接木された罹病枝の一部は、接木2年目にはてんぐ巣病罹病枝にしばしば見られる湾曲した形態に成長した。しかし台木にはてんぐ巣病特有の異常分枝が見られなかった。接木による接種の問題点として、台木と穂木の相性があること、接木で菌を接種できるとしても、菌が台木に感染してから病徴が発現するまでに時間がかかる可能性があることが明らかになった。

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680683445632
  • NII論文ID
    130005166830
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_359
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ