静岡県天竜地域の高齢スギ人工林の遺伝的多様性

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タイトル別名
  • Genetic diversity of aged <i>Cryptomeria</i> forests at Tenryu district in Shizuoka Prefecture

抄録

静岡県の天竜林業地では古くからスギ人工林経営が行われており、伝承ではスギ植林の歴史は文明年間(1469-1487)に遡るとされる。実際、当該地域の寺社には、江戸時代から知られた高齢林が存在し、その造林の歴史に興味がもたれる。本研究では、こうした天竜林業のルーツというべき高齢人工林にどのような種苗が使われていたのか、その遺伝的背景を明らかにすることを目的に、春野山大光寺(>300年生*)、秋葉山本宮秋葉神社(>500年生*)、山住神社(>300年生*)の各寺社叢および天竜森林管理署瀬尻スギ展示林(127年生)の4か所の人工林について、その遺伝的多様性を評価した。分析には169座の核SNPマーカーを用い、同じマーカーによって分析された全国の天然林集団の結果と比較した。その結果、高齢集団の遺伝的多様性の指標(Alleric Richiness、He)は天然林集団と比較して低くなく、植栽されたた種苗は比較的遺伝的多様性に富んでいたと推察された。また、STRUCTURE解析、Nei's Dに基づくネットワーク分析では、いずれの林分もオモテスギ天然林集団と同じクラスターに属した。*:推定年齢

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205708032128
  • NII論文ID
    130005167045
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_88
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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