砂防堰堤内における<sup>137</sup>Csの分布に着目した森林流域からの<sup>137</sup>Cs流出に関する考察

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  • Consideration of <sup>137</sup>Cs discharge from forest watersheds focused on <sup>137</sup>Cs deposition in a dam

抄録

2011年3月11日に福島第一原子力発電所から放出された137Csは、東日本の森林域に降下し、依然として森林生態系内に大量に蓄積されている。森林流域からの137Csの流出は、多くが微細な浮遊土砂によって起こると考えられているが、大規模な降雨の際には、平水時では流出しない土砂によって生じることが考えられる。本研究では、2015年9月中旬に発生した総降雨量600mmの降雨による大規模な土砂移動が観測された福島県伊達市上小国川流域(流域面積18.9ha)において、森林流域からの137Cs流出量を推定したので報告する。この流域末端部に設置された砂防堰堤内堆砂地の地形測量の結果、8月から9月の一ヶ月間で堰堤内に深さ約40cmの土砂(計15.8t)が堆積したことが分かった。9月に測定した深さ0~40cmの堰堤内堆積土砂の137Cs濃度は1000~3000Bq/kgであり、土砂の堆積以前にあった深さ40~50cmのリター層の濃度(5000~8000Bq/kg)と明らかに異なる。この結果から、8月から9月にかけての大規模降雨によって30MBq以上の137Csが掃流砂によって流出したと推定された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205705783168
  • NII論文ID
    130005167244
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_127
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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