冬期の積雪操作処理が生育期における土壌性トビムシの群集構造に与える影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of snow-pack removal during winter season on Collembolan community in growing season
抄録
北方林の土壌は,積雪によって季節凍結から保護されており,冬期の土壌生物群集に大きく影響する.近年の気候変動において,高緯度域での積雪環境の極端な変化が予測されているが,温帯域の季節凍結土壌における土壌節足動物への影響はまだあまりわかっていない.本研究では,北海道東部の冷温帯落葉広葉樹林における除雪実験を行い,土壌凍結頻度の変化が土壌性トビムシ群集に対してどのような影響を与えるのかを調査した.トビムシの個体数,種数,多様度指数は除雪区でいずれも有意に減少し,この効果は春先の凍結融解直後だけでなく,4ヶ月後にも持続していた.トビムシ群集間の種の入れ替わりを示す個体数比非類似度は季節間で異なっていたが,処理間での違いは見られなかった.群集間の個体数変化に付随した個体数傾度非類似度は,季節間,処理間で異なっていた.従って,冬期の積雪減少に伴う土壌環境の変化は,トビムシ群集の個体数と種の欠損をもたらし,また秋になっても除雪ストレスの影響は持続することが明らかとなった.凍結直後に除雪区で優占した種は,生育期には減少していたため,除雪処理が特定の種に有利に働く影響はないと考えられた.
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 127 (0), 709-, 2016
日本森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680682582656
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- NII論文ID
- 130005167327
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可