13年の経過観察の後,急速に増大した肝血管筋脂肪腫の1例

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  • A Hepatic Angiomyolipoma with Rapid Growth after a Follow-up Period of Thirteen Years

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抄録

<p> 患者は63歳の女性で,2000年11月に径76 mmの肝腫瘍を指摘され,肝血管筋脂肪腫の診断で経過観察されていた.2014年3月まで大きさや性状の変化を認めなかった.2014年9月腫瘍は径126 mmと急速に増大しており,11月に当科紹介となり,12月には径140 mmとさらに増大していた.12月右肝切除を施行し,切除肝重量1,230 g,腫瘍径150 mmで,腫瘍内に大量の出血を認めた.肉眼的には茶褐色の腫瘤で,一部淡褐色の硬い組織を含み,周囲に脂肪組織を認めた.組織学的には平滑筋細胞が増殖し,免疫染色検査でHMB45(+),α-SMA(+)で,脂肪腫様組織を伴っており,肝血管筋脂肪腫と診断した.病変内の大部分が血腫と壊死であり,腫瘍の増大と壊死に伴う出血が急速な増大の主な原因と考えられた.長期にわたり大きさの変化がない肝血管筋脂肪腫においても継続的な経過観察が必要であると思われる.</p>

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