<b>抑肝散加芍薬厚朴に良好な反応を示した不随意運動の1例</b>

  • 小池 宙
    慶應義塾大学医学部漢方医学センター 東京都済生会中央病院総合診療内科
  • 堀場 裕子
    慶應義塾大学医学部漢方医学センター
  • 渡辺 賢治
    慶應義塾大学医学部漢方医学センター

書誌事項

タイトル別名
  • <b>A Case of Involuntary Movements Treated with Yokukansankashakuyakukoboku</b>
  • 臨床報告 抑肝散加芍薬厚朴に良好な反応を示した不随意運動の1例
  • リンショウ ホウコク ヨクカンサンカシャクヤクコウボク ニ リョウコウ ナ ハンノウ オ シメシタ フズイイ ウンドウ ノ 1レイ

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抄録

はじめに:抑肝散加芍薬厚朴に良好な反応を示した不随意運動を有した1例を経験したので報告する。<br>症例:17歳の男性。6年前から突然体が反り返るような痙攣様の不随意運動を認めていた。精神科・神経内科等を受診し加療を受けるも改善を認めていなかったため,漢方治療を希望し受診した。抑肝散加芍薬厚朴を煎剤にて開始したところ不随意運動は徐々に軽減した。<br>考察:抑肝散は明代の薛已の創方とされる。江戸時代に日本に伝えられ,様々な加味方も使用された。大塚敬節は先人の加味方を基礎に抑肝散加芍薬厚朴を考案し使用した。抑肝散加芍薬厚朴はエキス剤にないため昨今では使用される機会は多くないが,本例のように有効な緊張興奮を伴う症例には有効である。抑肝散との使い分けについては今後さらに研究が必要であると考えられる。

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被引用文献 (1)*注記

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