入院森田療法により軽快した広場恐怖を伴う神経因性頻尿の1症例

  • 舘野 歩
    東京慈恵会医科大学附属第三病院精神神経科・同大学森田療法センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Successful Inpatient Morita Therapy for Nervous Pollakisuria Accompanied with Agoraphobia
  • ニュウイン モリタ リョウホウ ニ ヨリ ケイカイ シタ ヒロバ キョウフ オ トモナウ シンケイインセイヒンニョウ ノ 1 ショウレイ

この論文をさがす

抄録

<p>神経因性頻尿に対する精神療法の中では, 森田的志向のカウンセリングが基本であると笠原は述べている. しかし神経因性頻尿に対する森田療法を実施した報告は今までにない. そこで今回入院森田療法により軽快した広場恐怖を伴う神経因性頻尿の1症例を報告した. 入院後約1カ月間は尿意を感じつつ生活に必要な行動を優先して動ける体験ができた. 次に患者自身に作業の負担が増えると自己決断ができず頻尿や身体症状が出現した. 入院後出現した身体症状の心性は, 頻尿の背後の対人恐怖心性と共通していると理解された. 今までは頻尿と身体症状の背後にある対人恐怖心性からさまざまな場面を回避してきたが, 入院森田療法の中で対人緊張がありつつその場面を避けずに自分の意見を言えるようになっていったことが退院後良好な経過をたどったと考えられる.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 56 (12), 1224-1229, 2016

    一般社団法人 日本心身医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ