時間100mm以上の模擬降雨実験を用いたEUROSEMモデルの適用性拡張

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タイトル別名
  • Applicability of EUROSEM in rainfall simulator experimnents with more than 100mm/hr

抄録

<br><br>近年のわが国では一部の人工林において間伐等の森林管理が十分にはなされず林内の照度が低い人工林の面積が増大している.このような人工林では林床植生が衰退し,森林からの河川への土壌流出量の増加による濁水による河川環境への影響などが懸念されている.ここでは100mm/hrを超える模擬降雨を人工的に発生させEUROSEMモデルの適用性の拡張を図った.<br>EUROSEMモデルは降雨が地表面を流出する表面流出を扱う水文モデルと降雨-表面流出が土壌を剥離・輸送する土壌モデルにより構成される.模擬降雨を地上で観測することにより表面流出の時系列および従来の方法では観測が困難であったsedigraph(土壌流出の時系列変化)を複数の林分において取得することが可能となった.その結果,降雨の30~40%が表面流出として流出すると同時に土壌流出量は4t/haを上回り土壌を維持できるという閾値3t/hr/yrを上回るものであった.ここでは降雨が地表面に浸透する浸透能が変化する改良EUROSEMモデルを用いることにより土壌流出の時系列変化を良好に再現することができ,改良EUROSEMモデルが降雨強度100mm/hrを上回るような降雨についても適用可能であることが明らかになった.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205712680320
  • NII論文ID
    130005176205
  • DOI
    10.11520/jshwr.29.0_85
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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