トブラマイシン母集団薬物動態モデルの評価を経て臨床適用の可能性を探る

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抄録

近年,母集団解析の適用が増加し,その解析結果の添付文書やインタビューフォームへの記載が顕著に増加している.厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課では2015年12月に「母集団薬物動態・薬力学解析ガイドライン(案)」のパブリックコメントを募集しており,2017年には最終化される予定である.実臨床の投与設計では少数点採血に起因する情報不足をモデルとベイズ推定でカバーしているが,事前情報の正確性が予測精度に影響することは論を待たない.<br>しかし,臨床適用の可能性を検証するための外部バリデーションによる母集団薬物動態モデルの評価に関する報告は,世界的にモデル構築より圧倒的に少ないことが問題として指摘されている.成人患者を対象とした新規薬剤に関する報告は散見されるが,古いながらも処方頻度の高い薬剤や,小児や超高齢者といった特殊集団に関する報告は皆無である.今回,小児患者におけるトブラマイシン母集団モデルの評価に関する研究が報告されたので紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Marsot A. et al., Clin. Pharmacokinet., 51, 1-13 (2012).<br>2) Taghizadeh-Ghehi M. et al., J. Res. Pharm. Pract., 4, 129-134 (2015).<br>3) Deng C. et al., J. Clin. Pharm. Ther., 38, 480-489 (2013).<br>4) Bloomfield C. et al., Antimicrob. Agents. Chemother., 60, 3407-3414 (2016).

収録刊行物

  • ファルマシア

    ファルマシア 53 (1), 67-67, 2017

    公益社団法人 日本薬学会

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