早期胃癌に併発した仙骨前面骨髄脂肪腫の1例

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  • Presacral Myelolipoma with Early Gastric Cancer

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抄録

<p> 早期胃癌に仙骨前面骨髄脂肪腫を併発した症例を経験した.胃癌の治療前検査中,偶然仙骨前面に4 cm径の腫瘤が指摘され,画像上脂肪肉腫が疑われた.同腫瘤は病理診断を行う目的で広範切除が施行された.病理所見は正常骨髄組織が脂肪組織内に混在する腫瘍で,悪性所見はなく,骨髄脂肪腫と診断された.仙骨前面腫瘤の確定診断後,胃癌の根治切除が施行された.仙骨前面骨髄脂肪腫は,まれな疾患であるが,脂肪成分を含有する後腹膜腫瘍で発生頻度が比較的高い脂肪肉腫との鑑別が重要である.しかし,この鑑別診断には従来のCTあるいはMRIでは限界があり,検体採取による病理組織学的診断が重要である.本症例では治療前検査としてPET-CTが施行され,同腫瘤に最高standard uptake value値1.61の異常集積が見られた.これは,これまで報告されている脂肪肉腫のそれよりも低値であった.このPET-CTは,仙骨前面の脂肪含有腫瘍の鑑別の一助となる可能性が示唆された.</p>

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