延喜式内社に着目した四国沿岸部における神社の配置と津波災害リスクに関する一考察 A STUDY ON THE TSUNAMI RISK OF ENGI-SHIKINAISHA IN THE COASTAL AREA OF SHIKOKU

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抄録

 本研究の目的は「延喜式神名帳に記載された式内社は,大規模自然災害リスクを回避しうる空間特性を有している」という仮説にもとづいて,特に四国太平洋沿岸部における南海トラフ巨大地震の想定津波浸水域と延喜式内社の配置の関係性を明らかにすることである.<br> 高知県沿岸部777社,徳島県沿岸部438社について,それらの津波災害リスクについてGISを用いて分析を行ったところ,高知県では555社,徳島県では308社が津波災害を回避しうる結果となった.さらに,式内社について分析したところ,沿岸部に位置する式内社はそれぞれ,高知県内18社,徳島県内30社であり,そのうち津波災害のリスクがあるのは,高知県2社,徳島県2社の合計4社のみであった.この結果から,古来,信仰の中枢であり,また国家から幣帛を受ける官社であった式内社は,数百年に一度で襲来する大規模津波についても,その災害リスクを回避しうる立地特性を有していると言える.

 The purpose of this study is to discuss the ways of natural disaster risk reduction based on the traditional local knowledge. In this study, we focused on the location of 1,215 shrines in Kohchi Prefecture and Tokushima Prefecture in order to uncover the profile of space accumulated in the community. More specifically, a survey about the location of shrines and the disaster risk potential of tsunami caused by Nankai Trough earthquake showed that many shrines escaped disaster hazard area. And by the investigation of the history and origin of each shrines, we have extracted that all of Engi-Shikinaisha(shrines listed in Engishiki laws) are located at out of the disaster hazard area.

収録刊行物

  • 土木学会論文集F6(安全問題)

    土木学会論文集F6(安全問題) 72(2), I_123-I_130, 2016

    公益社団法人 土木学会

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