左室心尖部scarからbreakthroughする部位の違いにより, 上方軸型ならびに下方軸型を呈したと考えられた心室頻拍の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- Superior and Inferior axis Ventricular Tachycardia breakthrough from left ventricular apex scar : A case report
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抄録
<p> 症例は50歳男性. 今回入院の約1年前に冠攣縮性狭心症による虚血性心筋症に起因した心室頻拍 (VT) に対してICD植込み術を施行した. 平成○○年○月electrical stormをきたし当科入院となった. 右脚ブロック・下方軸型のほか, 上方軸型VTも認め, カテーテルアブレーションを施行した. 左室心尖部の低電位領域 (LVA) 内にlate potentialを認め, Stim-QRS mapより下方軸型VTはLVA内を側壁から緩徐伝導路 (SCZ) を経て前壁中隔にbreakthroughする回路が想定され, exitの約5mm下方でpacingを行うと上方軸型QRS波に変化した. 血行動態が安定した頻拍周期 (TCL) 295msecの上方軸型VTが容易に誘発された. 良好なpace map (Stim−QRS=66msec) が得られた部位近傍に拡張期分裂電位を認め, 同部位でconcealed entrainmentが得られ, PPIとTCLは一致した. 同部位への通電によってVTは停止し, SCZを横断するように追加通電後, すべてのVTは誘発不能となった. その後再発を認めていない. 心尖部LVAからのbreakthrough部位の違いにより上方軸型ならびに下方軸型VTが出現したと考えられた1例を経験したので報告する.</p>
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 47 (SUPPL.2), S2_236-S2_246, 2015
公益財団法人 日本心臓財団
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204050667776
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- NII論文ID
- 130005250971
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可