高齢者への住環境教育方法

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  • Living environmental education methods for the elderly

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抄録

<br><br>目的  高齢者に住環境教育を行うことの意義・効果を明らかにし、教育方法の提案を行う。<br><br>方法<br> 2014年に住宅や住環境の実態及び身体機能に関する知識について高齢者151人にアンケート調査を行った。また、加齢による身体的機能の変化と住環境との関係に関する体感型講義を12人に行い、教育方法に関する意見を得た。さらに、2015年9月に高齢者32人を対象に加齢による生理的・身体的変化の特性、体温調節機能と熱中症やヒートショックの発生原理との関係及び対策に関する講義を行い、講義内容及び家庭実践に関する意見を得た。講義後約1ヶ月半経った時点での講義で学んだ知識の活用に関する追跡調査を行い、29人の実態を捉えた。<br><br>結論 <br><br>1)多くの高齢者は、住環境に関する教育を受けておらず、加齢による身体的特性に関する正確な知識を持っていないことを明らかにした。<br><br>2)高齢者の多くが学習したい内容として、住宅の耐震構造と福祉住環境整備、及び居住環境や住まい方を挙げた。<br><br>3)熱中症やヒートショックなどの住環境問題に関する講義を通して、対策の内容と各問題の発生原理や体温調節の仕組みを教授する方法は、理解度の向上に効果的であること、及び講義時点から早々に発生する住環境問題に関する興味・関心が高いことを確認した。さらに、簡易的な対策は家庭実践に繋がることがわかった。<br><br>4)体感型講義や生理的観点事項を取り入れた教育は、高齢者の理解度を向上させ、住まい方に関する意識を変え、住生活の改善に寄与することを明らかにした。

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