iPS細胞由来心筋細胞の改良:ワークフロー短縮化後の化合物反応の同等性

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抄録

Japan iPS Cardiac Safety Assesment (JiCSA),ヒトiPS細胞応用安全評価コンソーシアム(CSAHi)やComperehensive In-Vitro Proarrythmia Assay (CiPA) などで行われている大規模検証によりヒトiPS細胞由来心筋細胞の有用性が実証されつつある。iPS細胞由来心筋細胞の品質の向上に伴い改良された細胞とすでに確立されている細胞とのデータの比較と理解は不可欠である。本研究では製品として入手可能な2世代のiPS細胞由来心筋細胞、iCell Cardiomyocytes2とiCell CardiomyocytesにCiPAで使用されている化合物を添加しその反応をマルチエレクトロードアレイ(MEA)で測定し評価した。iCell Cardiomyocytesは播種後14日、アッセイワークフローが短縮されたiCell Cardiomyocytes2 は播種後4日と7日後に化合物を添加した。添加前のベースライン平均拍動頻度数は46 BPM(iCell Cardiomyocytes2播種後4日 ) 39 BPM(iCell Cardiomyocytes2播種後7日 )と34 BPM(iCell Cardiomyocytes播種後14日)であった。単一チャネルを遮断する化合物、メキシリチン、ニフェジピン、E-4031、 JNJ-303 及び複数チャネルを遮断するフレカイニド、モキシフロキサシン、キニジン、ラノラジンを添加した結果、3つの異なる培養条件と2つの異なる世代モデルの細胞に対し細胞電気生理的に測定可能な効果をもたらす濃度の差は全ての化合物でLog10 ½ 以内であった。また不整脈誘発は3つの異なる培養条件と2つの異なる世代モデルの細胞で同等の濃度で効果が確認された。これらの結果から多少の拍動頻度数の違いは存在するもののiCell Cardiomyocytes2とiCell Cardiomyocytesは化合物に同等に反応するため新たな細胞への移行が容易に達成できることを示唆している。

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  • CRID
    1390001205547197696
  • NII論文ID
    130005260716
  • DOI
    10.14869/toxpt.43.1.0_p-149
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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