OTC医薬品の情報提供における課題抽出に関するパイロットスタディ

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  • Insufficiency of OTC Drug Information ; A Pilot Study with Pharmacists
  • OTC イヤクヒン ノ ジョウホウ テイキョウ ニ オケル カダイ チュウシュツ ニ カンスル パイロットスタディ

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抄録

<p>消費者による安全で効果的なOTC医薬品使用のためには薬剤師による情報提供や服薬指導が重要であるが, OTC医薬品についての主な情報源は患者向けの添付文書であり, 医療関係者である薬剤師にとって, OTC医薬品の情報は十分でない可能性が考えられる. そこで本研究では, OTC医薬品の添付文書に関する薬剤師の意識調査を行い, 現在のOTC医薬品の情報提供における課題点を検討することとした. 病院に勤務する薬剤師 (以下病院薬剤師) および薬局に勤務する薬剤師 (以下薬局薬剤師) それぞれ30名を対象として, OTC医薬品の情報に関するアンケート調査を実施した. 調査内容は, 回答者基本情報およびOTC医薬品に関する経験, 医療関係者の視点におけるOTC医薬品の情報量を問うものとした. 病院薬剤師29名, 薬局薬剤師30名から回答が得られた. 医療関係者の視点から, OTC医薬品の添付文書に記載されている情報量が適当であると思うか, という質問に対し, 「適当」と回答した者は, 病院薬剤師で69.0%, 薬局薬剤師では50.0%であった. また, 「不足」, 「やや不足」と回答した者の合計は, 病院薬剤師と薬局薬剤師のそれぞれ約3割であり, 相互作用や体内動態, 副作用の詳細, 各項目の記載根拠等の情報が必要であるとの意見が得られた. さらに, 病院薬剤師および薬局薬剤師共に半数以上の回答者がOTC医薬品について調べた際に困った経験があると回答した. 病院薬剤師, 薬局薬剤師共にOTC医薬品の添付文書の情報量は適当であると感じている者が多かった一方で, 相互作用や体内動態, 各項目の記載根拠等についての情報が必要とされていることが明らかとなったことから, 薬剤師が消費者に情報提供や服薬指導を行ううえで, これらの情報を充実させた情報媒体が求められていると考えられる.</p>

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