粒子線治療における放射線シミュレータの照射領域可視化のための開発研究

• 阿蘇 司

  富山高等専門学校　電子情報工学科

• 松下 慶一郎

  広島大学　大学院　医歯薬保健学研究院　応用生命科学部門

• 西尾 禎治

  広島大学　大学院　医歯薬保健学研究院　応用生命科学部門

• 株木 重人

  東海大学　医学部　専門診療学系　放射線治療科学

• 佐々木 節

  高エネルギー加速器研究機構　総合研究大学院大学

• 紅井 里緒菜

  富山高等専門学校　専攻科

書誌事項

タイトル別名

• Development of Radiation Simulator for Reconstructing Irradiation Field in Particle Radiotherapy

抄録

がんを切らずに治療できる放射線医療は，体力のない高齢者や小児でも生活品質を維持した治療が可能である。放射線治療の最重要事項は，腫瘍への線量集中性である。患者内の線量分布は，直接的に測定ができないため，線量計算が行われてきた。我々は，高信頼性のモンテカルロ法計算を用いたGeant4シミュレーションツールキットを基盤とする粒子線治療シミュレータ (PTSIM)を開発し，測定との比較検証を経て，立案された治療計画の検証ツールとして活用されるに至っている。近年では，患者毎のテイラーメイド治療として，呼吸による臓器の移動，治療期間中の腫瘍形状変化に合わせた治療の再立案など，患者固有の条件を踏まえた治療が提案されている。そこで，治療毎に照射線量分布や体内飛程位置を把握するオンラインPETやコンプトンカメラの開発が進んでいる。これらは，粒子線照射による患者内での核反応で放出される様々なガンマ線計測を利用している。PTSIMによるシミュレーションは，CT画像による患者形状の再現と照射による核反応を計算できるため，新たにPETなどの撮像機器の機能を開発して組み込むことで，テイラーメイド治療のためのシミュレータを開発することができる。現在，PTSIMへの撮像機器のソフトウェア設計を完了して，実装を行っている。本大会では，その開発状況と得られた結果について報告する。

収録刊行物

• 生体医工学

  生体医工学 54Annual (28PM-Abstract), S424-S424, 2016

  公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報

• CRID: 1390282680247198464
• NII論文ID: 130005285523
• DOI: 10.11239/jsmbe.54annual.s424
• ISSN: 18814379
• ISSN: 1347443X
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可