高齢化の進んだ農村地域における介護に関する事前の意思決定および意思表示に影響を及ぼす要因:横断研究

書誌事項

タイトル別名
  • Factors Related to Advance Care and Decision Making Planning among Rural and Advanced Aged Communities in Japan: A Cross-Sectional Pilot Study
  • コウレイカ ノ ススンダ ノウソン チイキ ニ オケル カイゴ ニ カンスル ジゼン ノ イシ ケッテイ オヨビ イシ ヒョウジ ニ エイキョウ オ オヨボス ヨウイン : オウダン ケンキュウ

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は,個人の意思を尊重した介護の実現に向けて,自分が要介護状態になった際の要望に関する事前の意思決定および意思表示と健康意識や地域における社会活動との関連について,予備的に検討することである。対象は老年人口割合の高い農村地域において,集落抽出法により得られた40~74歳の男女920人のうち,調査の同意と有効回答を得た408人とした。調査項目は,性別,年齢,介護経験の有無,健康への不安感,地域活動への参加度等の15項目であり,分析方法は,単変量解析を用いて意思表示および意思決定の関連要因について検討した。有意差のみられた変数を独立変数とし,意思表示/意思決定を従属変数とし,ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行なった。その結果,意思決定をした者/意思表示をした者は全体の23.8%/25.0%であり2項目間に有意な関連があったため,いずれかの項目が他の促進要因となることが示唆された。意思決定には地域活動への参加度,意思表示,介護考慮が有意に関連しており,意思表示には健診に関する会話の頻度,意思決定,介護考慮が有意に関連していた。これまで意思決定の関連要因として認知症に対する意識の程度は示されたものの,意思表示を促す動機や関連因子については不明であった。本調査により地域活動への参加度は意思決定に,健診に関する会話の頻度は意思表示に影響することが示唆された。

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (5)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ