末梢血液鏡検を契機として早期診断に至った<i>Capnocytophaga canimorsus</i>による掻傷感染症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Scratched Infection by <i>Capnocytophaga canimorsus</i> Diagnosed Early with Microscopic Peripheral Blood Smear Examination
  • 症例報告 末梢血液鏡検を契機として早期診断に至ったCapnocytophaga canimorsuによる掻傷感染症の1例
  • ショウレイ ホウコク マッショウ ケツエキキョウケン オ ケイキ ト シテ ソウキ シンダン ニ イタッタ Capnocytophaga canimorsu ニ ヨル ソウショウ カンセンショウ ノ 1レイ

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抄録

Capnocytophaga canimorsus(以下C. canimorsus)は,イヌ・ネコの口腔内に常在する紡錘状の通性嫌気性グラム陰性桿菌である。C. canimorsusによる咬傷・掻傷感染症は極めて稀ではあるが,ヒトに敗血症を惹起する事があり,その致死率は約30%と高い。  全身倦怠感と発熱で来院した56歳男性。来院時に血小板数著減の精査で施行した末梢血液塗抹標本の無染色鏡検において菌体を認め,即時にグラム染色を施行し,紡錘状のグラム陰性桿菌を確認した。さらに飼猫の掻傷・咬傷の病歴より初期段階からC. canimorsus感染症を推定した。血液培養陽性検体から原因菌がC. canimorsusであることを早期に同定し,適切な治療により播種性血管内凝固症候群の状態を伴う敗血症から救命し得た。C. canimorsusの早期診断に末梢血液塗抹標本の鏡検(無染色)が有用であった。

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参考文献 (1)*注記

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