低粒子濃度スラリー塗膜における乾き塗膜表面の粒子被覆率モデル

  • 今駒 博信
    神戸大学大学院工学研究科 応用化学専攻
  • 瀧 紘
    神戸大学大学院工学研究科 応用化学専攻
  • 祖開 美奈子
    神戸大学大学院工学研究科 応用化学専攻
  • 堀江 孝史
    神戸大学大学院工学研究科 応用化学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Models of Particle Exposure on the Dried Surface of Slurry Coating with Low Particle Concentration in Polymer Solution
  • テイリュウシ ノウド スラリー トマク ニ オケル カワキ トマク ヒョウメン ノ リュウシ ヒフクリツ モデル

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抄録

<p>ポリマー溶液中に少量のµmオーダー粒子が分散する低粒子濃度スラリー塗膜の乾燥モデル式を提案し,表面上への粒子露出(表面被覆率)を得る厳密モデルと近似モデルを導出した.3成分Maxwell–Stefan式に基づき導出した厳密モデル式と矩形含水率分布を仮定した近似モデルではともに,粒子の拡散と重力による移動を無視し,高含水率域で静止していた粒子がポリマー分子と等速度で移動し始める粒子同伴開始含水率uACを仮定した.厳密モデルに基づいたシミュレーション結果を,既往の研究における実験結果と比較することで,仮定の妥当性が示唆された.この結果は,濃厚ポリマー水溶液中では,絡まり合ったポリマー分子鎖に粒子が捕捉されることで,粒子はポリマー分子とともに移動するという粒子の新たな移動機構の存在を示唆している.さらに,両モデル式を用いた熱風乾燥シミュレーション実験を実施した結果,初期含水率が大きいほどuACが小さいほど被覆率は大きくなった.しかし,粒子直径が1.6 µmを超える場合は,乾き層厚みが10 µm以上において被覆率が1未満の値で一定となるのは厳密モデルだけであり,近似モデルは限定された条件でのみ有効なことが示唆された.ただし粒子直径が1.6 µm以下の場合は,厳密モデルにおいても被覆率がほぼ1で一定となるので,両モデルの結果は一致した.</p>

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参考文献 (12)*注記

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