現行の膀胱と尿道の解剖学と生理学を見なおす

書誌事項

タイトル別名
  • Several proposals for revision of conventional anatomy and physiology of the urinary bladder and urethra

抄録

現行の膀胱・尿道に関する解剖学・生理学において定説とされている5件の事項について,物理学・超音波医学の立場から,次のような修正すべき提言を行った.(1)蓄尿・排尿に際して,膀胱支配神経は膀胱の物性を2段階に変換させるためのon-off制御にしか関わっていない.(2)膀胱壁の厚さ,すなわち膀胱重量は,排尿に必要な収縮力(尿道抵抗)に応じて極めて速やかかつ動的に変動している.(3)尿道の主な機能は蓄尿時における閉鎖作用より排尿時における開大作用にあり,尿道の開大効果が排尿行動を主導しているらしい.(4)男性尿道は膀胱から前立腺を貫いて連続する長大な尿道筋束を有し,従来から外尿道括約筋と呼ばれている部分はその下端部分に過ぎない.(5)膀胱は,少なくとも睡眠時にはかなりの量の尿中水分を吸収している.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 44 (1), 5-16, 2017

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (14)*注記

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