視神経症を併発したIgG4関連眼疾患の1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Optic Neuropathy Caused by IgG4-related Ophthalmic Disease

この論文をさがす

抄録

涙腺に発症し視神経症を併発したIgG4関連眼疾患が疑われた症例を報告する.症例は71歳男性.右眼の視力低下,両眼の眼球突出を主訴に当科を紹介受診した.視力は右手動弁,左0.8であった.直接対光反射は右眼で減弱し,不十分で,RAPDは陽性であった.眼底に異常は認められなかった.限界フリッカ値は右眼測定不能,左眼は30 Hzであった.MRIにて涙腺腫大,血清IgG4高値,涙腺生検による病理組織所見はIgG4陽性形質細胞が強拡大視野内に30個認められた.以上より,IgG4関連眼疾患診断基準により疑診群と診断した.視神経症の原因は腫大した涙腺により視神経が圧排され圧迫性の視神経症を発症したと考えられた.ステロイド全身投与を行ったところ視力は速やかに改善した.IgG4関連眼疾患は視神経症を併発することがあるので注意を要する.また,過去の報告のごとく治療はステロイドに良好な反応を示す.

収録刊行物

  • 神経眼科

    神経眼科 33 (4), 392-395, 2016

    日本神経眼科学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ