無巨核球性血小板減少症を伴う橈尺骨癒合症の原因遺伝子の同定

  • 新堀 哲也
    東北大学大学院医学系研究科遺伝医療学分野
  • 青木 洋子
    東北大学大学院医学系研究科遺伝医療学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Novel causative gene for radioulnar synostosis with amegakaryocytic thrombocytopenia

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抄録

要約:無巨核球性血小板減少症を伴う橈尺骨癒合症(RUSAT)は骨髄不全,近位橈尺骨癒合症,斜指症などを主徴とするまれな疾患である.われわれは患者1 人およびその健常な両親の全エクソーム解析を行い,MECOM(MDS1 and EVI1 complex locus)のミスセンス変異を同定した.MECOM は造血幹細胞の自己複製に重要な役割を果たすこと,再生不良性貧血患者で同遺伝子欠失の症例報告があること,発生期にlimb bud に一過性に発現することなどから機能的にも原因と強く疑われた.そこで更に2 例において同遺伝子を解析し,いずれにおいても1 例目の近傍にミスセンス変異を同定した.計3例のうち2 例はde novo 変異であり,健常人には同定されず原因と考えられた.MECOM は白血病や固形腫瘍において過剰発現,再生不良性貧血症例において欠失が同定されていた.本研究によりMECOM の特定の部位のミスセンス変異がRUSAT を起こすことが明らかとなった.

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参考文献 (38)*注記

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