比抵抗法による廃棄物埋立層内水みち探査法の開発とその有効性

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タイトル別名
  • Measurement of permeating water paths in landfills by a resistivity prospecting method and its efficiency
  • ヒ テイコウホウ ニ ヨル ハイキブツ ウメタテソウ ナイスイミチ タンサホウ ノ カイハツ ト ソノ ユウコウセイ

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抄録

廃棄物埋立層を浸透する水の経路である「水みち」を非破壊で可視化することは,埋立層の安定化把握・汚染水の場外流出など処分場を管理するうえで欠かせない事項である。さらに,今日では,福島第一原発の損壊で発生した放射能汚染焼却灰も管理型処分場へ埋め立てられるようになり,「水みち」の層内分布を正確に把握することの重要性は増している。しかしながら,埋立層は非常に不均質であることから,的確な手法は未だに提案されていない。<br>  本研究では,層内保有水の挙動を人為的に変化させて,層内含水率や水質の変化を比抵抗の変化として捉えることにより「水みち」の把握が可能になると考え,土槽実験を計画した。塩ビ製土槽内に作製された焼却灰からなる模擬埋立層表面に電極を設置して,層内含水率が異なる条件下でそれぞれの比抵抗プロファイルを取得した。さらに比抵抗値がどのような因子を反映しているのかを検討するために,測定終了後に埋立層を掘削して不攪乱試料を採取し,それぞれの透水係数を測定するとともに含有元素の分析を行った。<br>  一方,土槽実験の結果を実際の処分場で確かめるために,産業廃棄物埋立層上で比抵抗法電気探査を行った。この埋立層の保有水位は定常で地表下約1m以浅にある。この時点で,埋立層上に設置された4本の測線で探査を実施した。その後,層基底に設置された排水管を用いて排水を繰り返した。これを約30日間実施した後,前者と同じ測線で探査を実施した。それぞれの実験で得られた比抵抗プロファイルを処理・検討することにより,本方法による廃棄物埋立層内の「水みち」把握の有効性を検討した。<br>  その結果,埋立層における含水率や保有水質の異なる状態を人為的につくり,それぞれの場合について同一の測線と方法で層内の比抵抗を測定し,その変化率プロファイルを作成することにより,水みちは把握可能であることが示唆された。<br>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 69 (3), 173-183, 2016

    社団法人 物理探査学会

参考文献 (3)*注記

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