排水処理における難分解性COD分解手段

  • 古庄 健太
    日鉄住金環境株式会社 水ソリューション事業本部

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment of Recalcitrant Organic Matter in Wastewater
  • ハイスイ ショリ ニ オケル ナン ブンカイセイ COD ブンカイ シュダン

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抄録

<p>標準活性汚泥法は,生物処理であるが所以にBOD分解は行われるものの,難分解性CODの処理が不得意とされている。当社は微生物の活性を上昇させることにより,通常処理では困難であった,生物処理水中の残存CODを削減させる画期的な微生物活性剤CODカッター・AMEシリーズを開発した。これにより既存の活性汚泥処理の能力を向上させることに成功した。</p><p>活性汚泥処理において,(1)処理水CODが低下しない,(2)処理水に着色が残存する,(3)処理水の濁り,白濁,発泡,スカムの発生が見受けられる,(4)活性炭吸着塔の再生頻度が高い,といった障害が発生する場合は複合微生物系のバランスを欠いており,結果的に排水処理の安定操業を維持出来なくなっているケースが多く見受けられる。活性汚泥におけるCODの処理性は,排水に含まれる生物難分解性のCODを分解できる微生物の存在が重要になる。</p><p>COD処理剤「CODカッター」は,比較的粒径が大きな多孔質物質と微細な粉状体の多種混合物であり,微生物活性剤を包接・吸着し,化学的に不安定な微生物活性剤の耐久性を高め,徐放性能発現する働きをする。また,排水中の難分解性COD成分を吸着して濃度を高め,微生物の産生する体外酵素がアタックしやすい状況を作る働きをする。また,産業系排水の基質組成の偏りを補うための薬剤として,微生物活性剤「AMEシリーズ」がある。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 70 (12), 1217-1223, 2016

    紙パルプ技術協会

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