両側外眼筋麻痺の眼球運動評価における定量的測定の有用性

  • 古川 真二郎
    地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院
  • 山本 美紗
    地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院
  • 寺田 佳子
    地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院
  • 原 和之
    地方独立行政法人 広島市立病院機構 広島市立広島市民病院

書誌事項

タイトル別名
  • Utility of quantitative measurement for evaluation of ocular motility in bilateral external ophthalmoplegia.

抄録

<p>【目的】眼球運動の評価は、非共同性斜視や眼筋麻痺の検出と経過観察に重要である。今回我々は両眼に外眼筋麻痺を示す症例に対してひき運動定量評価の有用性を検討したので報告する。</p><p>【対象及び方法】両眼に全外眼筋麻痺を呈したFisher症候群の2例を対象とした。定量されたひき運動の値と、むき眼位写真及びHess赤緑試験が示す眼球運動所見との整合性について上方視、下方視、右方視、左方視の4方向で検討した。</p><p>【結果】ひき運動を定量した所、2例とも両眼が4方向で眼球運動障害を示した。むき眼位検査では2例共に両眼が下方視を除く3方向で眼球運動障害を示した。Hess赤緑試験では右眼の眼球運動障害の所見は症例1では左方視のみに認められ、症例2では4方向で認められなかった。しかし各注視方向における左右眼の共同筋毎に比較を行うと、2例共にひき運動検査で小さい値を示した眼の外眼筋の作用方向に、Hess赤緑試験で眼球運動障害の所見が認められた。</p><p>【結論】むき運動及び、ひき運動の検査とHess赤緑試験の間で生じる検査所見の不一致は、共同筋の障害例では必発であり、ひき運動の定量による眼球運動の評価が有用であると考えた。</p>

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参考文献 (6)*注記

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