成人斜視手術例の種類と両眼視機能

書誌事項

タイトル別名
  • Binocular function of adult strabismus by operated cases

抄録

<p>【目的】成人で斜視手術を行った多数例について、その種類と両眼視機能から手術時期・手術予後との関係を検討する。</p><p>【対象と方法】2003(平成15)年8月末から11年間に局所麻酔・日帰り斜視手術を行った2,328例、2,689件を対象とした。両眼視機能は網膜対応、抑制および立体視を検査した。</p><p>【結果】種類では、外斜視1,604例、内斜視428例で、水平斜視の割合は、外斜視が78.9%を占めた。外斜視では、間欠性外斜視が1,037例と最も多く、次いで感覚性外斜視、術後続発外斜視であった。内斜視では、先天内斜視175例で、開散麻痺が172例とほぼ同数であった。上下回旋斜視は上斜筋麻痺が161例で、交代性上斜位がこれに次ぐ。両眼視機能は、網膜対応は正常対応が二重対応を含めると1,157例(72.1%)で、対応異常は術後に背理性複視を生じる真の異常対応は1例のみでそれ以外は対応欠如であった。</p><p>【結論】成人斜視は整容面のほか複視の消失が目標であるが、両眼視機能異常として術後の背理性複視のために手術が禁忌となるような網膜異常対応は極めてまれであった。したがって、両眼視機能の面では成人であっても手術は可能であり、手術時期を小児期に限定せずに種類別に考慮することができる。</p>

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