生物学的製剤治療に伴う日和見感染症

DOI
  • 亀田 秀人
    東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野(医療センター大橋病院)
  • 小倉 剛久
    東邦大学医学部内科学講座膠原病学分野(医療センター大橋病院)

書誌事項

タイトル別名
  • Opportunistic infections under the treatment with biological agents

抄録

<p>   感染防御機構は局所の上皮組織バリア,自然免疫,獲得免疫の多重構造となっており,病原体の侵入や増殖を防いでいる.しかしながらリウマチ性疾患に用いられる生物学的製剤は免疫関連細胞の機能や活性化を制御するため,生物学的製剤治療中には一般の感染症に加えて日和見感染症のリスクが生じる.その管理のためには,臨床免疫学の十分な理解,感染防御機構における局所要因の重要性の認識,そして主要感染症に対する適切なスクリーニング,予防,モニタリングが重要である.日本リウマチ学会では各生物学的製剤の製造販売後全例調査を施行し,その結果を世界に発信することでリウマチ学分野における日本のプレゼンスを高めることに成功した.こうしたデータに基づいて日本リウマチ学会や米国リウマチ学会がガイドラインを公表し,定期的に改訂している.結核やB型肝炎の予防(あるいは潜在感染症の治療)は普及しているが,ニューモシスチス肺炎の予防は忍容性が低いことから普及していない.しかし,サラゾスルファピリジンが新たな一次・二次予防投与の選択肢となるかもしれない.</p>

収録刊行物

  • 臨床リウマチ

    臨床リウマチ 28 (4), 317-321, 2016

    一般社団法人 日本臨床リウマチ学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282679319256320
  • NII論文ID
    130005397821
  • DOI
    10.14961/cra.28.317
  • ISSN
    21890595
    09148760
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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