ゲフィチニブ投与中に小細胞癌化を認めた肺腺癌の1例

  • 鳥越 千尋
    独立行政法人国立病院機構別府医療センター呼吸器内科
  • 上野 拓也
    独立行政法人国立病院機構別府医療センター呼吸器内科
  • 西尾 末広
    独立行政法人国立病院機構別府医療センター呼吸器内科
  • 澤部 俊之
    独立行政法人国立病院機構別府医療センター呼吸器内科
  • 矢野 篤次郎
    独立行政法人国立病院機構別府医療センター呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Lung Adenocarcinoma That Transformed to Small Cell Carcinoma During Gefitinib Therapy

この論文をさがす

抄録

<p>背景.肺腺癌において,EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)に対する耐性化機序の半数以上は同遺伝子の二次変異によるものである.一方,低頻度ながら小細胞癌化による耐性獲得例も知られている.症例.73歳,男性.EGFR遺伝子変異陽性の肺腺癌(cT4N2M1a,stage IV)に対しゲフィチニブ投与を開始された.治療は奏効し,原発巣は良好にコントロールされた.しかし,経過中に肝腫瘍の出現および血清NSE高値を認め,肝生検でEGFR遺伝子変異陽性の小細胞癌が判明した.肺腺癌の小細胞癌化と考えられ,小細胞癌に対する化学療法を施行し,肝転移巣は縮小した.結論.EGFR-TKI治療への耐性化を認めた際,小細胞癌化の可能性を予測し,正確に診断することは治療方針の最適化に大きく寄与する.血清マーカーや病変の経過などから同病態が疑われる場合には,侵襲やリスクも考慮しつつ再生検を特に積極的に検討すべきと思われる.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 57 (1), 35-40, 2017

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (11)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ