3.トルバプタンの使用について―腎臓内科の立場から―

  • 貝森 淳哉
    大阪大学大学院医学系研究科先端移植基盤医療学 大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学
  • 猪阪 善隆
    大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学
  • 高原 史郎
    大阪大学大学院医学系研究科先端移植基盤医療学

書誌事項

タイトル別名
  • Tips for use of tolvaptan -From a nephrologist to gastroenterologists-
  • トルバプタンの使用について : 腎臓内科の立場から
  • トルバプタン ノ シヨウ ニ ツイテ : ジンゾウ ナイカ ノ タチバ カラ

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抄録

<p>2010年10月に,バソプレシンV2受容体拮抗薬であるトルバプタン(サムスカ)が,「ループ利尿剤等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」に対し保険適用となって以降,わが国に利尿薬において新たな選択肢が一つ加わることになった.これと共に,今までのナトリウム利尿という考え方に,水利尿という新しい概念を付与することとなった.トルバプタンは,低ナトリウム血症をきたした心不全患者で利尿薬の選択に難渋していた場合に選択的に使われだした.その際,トルバプタンが効果のある患者に関して研究が行われ,効果の期待できる患者の見分け方が明らかにされてきた.また,腎臓内科領域では,特に今まで全く治療法の無かった常染色体優性多発性囊胞腎(ADPKD)に対する治療薬として,高容量のトルバプタンを使用する機会も増えてきた.本総説では,バソプレシンV2受容体拮抗薬(トルバプタン)の作用機序や使用の注意点を腎臓内科の立場から述べてみたい.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 58 (2), 85-90, 2017

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (17)*注記

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