遺伝性鉄芽球性貧血の経過中に発症した糖尿病の兄弟例

DOI
  • 加納 麻弓子
    独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院内分泌・糖尿病内科
  • 川口 頌平
    独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院内分泌・糖尿病内科
  • 山川 文子
    独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院内分泌・糖尿病内科
  • 林 正幸
    独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院内分泌・糖尿病内科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of 2 Siblings Who Developed Diabetes During the Course of X-linked Sideroblastic Anemia

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抄録

<p>遺伝性鉄芽球性貧血にて加療中,続発性ヘモクロマトーシスによる二次性糖尿病を発症した兄弟例を経験した.兄は69歳男性.63歳で糖尿病を発症し,その5年後インスリン導入となる.インスリン導入時尿中CPR 257 μg/dayとインスリン過分泌を認めた.約1年後に血糖コントロールが悪化し再入院.尿中CPR 15.2 μg/dayへと低下し,CT上膵萎縮を認めた.弟は61歳男性.幼少期より高度の貧血を認め頻回の輸血を要した.続発性ヘモクロマトーシスによる肝硬変,肝細胞癌,左室拡張不全を発症.54歳時に糖尿病を指摘されインスリン導入となり,61歳時にはインスリン分泌不全が確認された.遺伝性鉄芽球性貧血はX連鎖性伴性劣性遺伝様式の稀な遺伝性貧血である.兄弟共にインスリン依存状態に陥ったが,兄はインスリン抵抗性糖尿病から短期間でインスリン分泌不全に陥ったと推察された.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 60 (2), 83-90, 2017

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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