1型糖尿病と診断されていたが,反復する有痛性筋痙攣を契機にミトコンドリア糖尿病と確定診断された1例

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  • A Case of a Confirmed Mitochondrial Diabetes Patient Who Had Been Diagnosed As Type 1 Diabetes With Recurrent Painful Muscle Cramps

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抄録

<p>症例は25歳の女性.2006年4月より両下腿の筋痙攣を自覚.5月には口渇・多飲・多尿が出現し糖尿病ケトーシスの診断でインスリン療法を開始.GAD抗体3.1 U/mL,尿中CPR 8.3 μg/日であり発症様式とインスリン分泌の低下から1型糖尿病と診断.その後も筋痙攣を認め2012年には筋破壊を伴う有痛性筋痙攣が出現した.低身長・痩せ型,糖尿病の母系遺伝,両側感音難聴,乳酸値持続高値,大脳基底核の石灰化を認めミトコンドリア遺伝子異常が疑われた.末梢静脈血白血球のmtDNA 3243A→G変異が検出されミトコンドリア病と診断した.本例では神経・筋症状の発症経過は糖尿病多発神経障害として非典型的でありミトコンドリア病に伴う症状と考えられた.本疾患はインスリン分泌低下を来すこともあり,1型糖尿病として経過を見られる例もあるが,GAD抗体が陽性である症例の報告は少ない.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 60 (2), 91-97, 2017

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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