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- 久松 理一
- 杏林大学医学部付属病院 消化器内科
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抄録
<p> 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病)は原因不明の慢性炎症性疾患で20~30歳代に好発し,本邦での患者数は増加傾向にある.炎症性腸疾患の治療に画期的な変革をもたらした抗TNFα抗体製剤の成功以後,多くの分子標的治療薬が開発されている.その中でも最も期待されているのはリンパ球のホーミングを阻害するcell adhesion molecule(CAM)inhibitorである.最初に開発されたα1インテグリンに対する抗体製剤であるnatalizumabはJCウィルスの活性化による進行性白質脳症発症リスクのため限られた国でしか承認されていないが,その後腸管特異的なα4β7インテグリンに対する抗体vedolizumabが開発された.すでに海外では安全性データも蓄積されており日本でも臨床試験が行われている.さらに経口低分子阻害剤の開発も進んでおり,特にα4インテグリン阻害剤,JAK阻害剤の臨床試験が始まっている.ユニークな治療としては経口SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドのクローン病に対する有効性が報告され注目されている.</p>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 39 (4), 331-331, 2016
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204651561856
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- NII論文ID
- 130005407752
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可