P2-06 日本人における自己免疫性肝炎発症に関わる遺伝要因

  • 樋口 貴士
    筑波大学医学医療系 分子遺伝疫学
  • 岡 笑美
    筑波大学医学医療系 分子遺伝疫学 国立病院機構相模原病院 臨床研究センター
  • 古川 宏
    筑波大学医学医療系 分子遺伝疫学 国立病院機構相模原病院 臨床研究センター
  • 小森 敦正
    国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センタ
  • 八橋 弘
    国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センタ
  • 中村 稔
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科新興感染症病態制御学系専攻 肝臓病学講座
  • 川崎 綾
    筑波大学医学医療系 分子遺伝疫学
  • 土屋 尚之
    筑波大学医学医療系 分子遺伝疫学
  • 右田 清志
    国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センタ

この論文をさがす

抄録

<p>  【背景】自己免疫性肝炎(AIH)は中高年女性に好発し,多くは緩徐に進行する肝疾患である.AIHの原因は不明だが,遺伝要因と環境要因が関与する多因子疾患であるとされている.HLA-DRB1*04が疾患感受性アレルとされており,AIH症例の約60%がDRB1*04陽性であるとされている.DRB1は日本人とヨーロッパ集団に共通したAIHの疾患感受性遺伝子だが,ヨーロッパ集団におけるゲノムワイド関連解析(GWAS)で報告されたCARD10の単一塩基多型(SNP)とAIHとの関連は日本人集団では再現されなかった.当研究では,HLA以外のAIH関連遺伝子多型を日本人で明らかにすることを目的とする.【方法】日本人AIH患者341例,健常対照者412例を対象とした.ヨーロッパにおけるAIHのGWASにて,P = 5×10−8には満たないが関連の傾向が観察された15SNP(rs11209050, rs17016449, rs4325730, rs564799, rs11943338, rs6551933, rs1295686, rs550167, rs906629, rs10819195, rs2071272, rs11160594, rs2631695, rs7171939, rs2302209)をTaqMan probeと7500 FastリアルタイムPCRシステムでタイピングし,関連解析を行った.【結果・考察】rs4325730は,AIHとの弱い関連が認められ(アレルモデルOR 1.26 95%Cl 1.02-1.57 P = 0.0344,優性モデルOR 1.55 95%Cl 1.09-2.21 P = 0.0134),M2抗体陰性AIHとの関連も観察された(アレルモデルOR 1.39 95%Cl 1.08-1.80 P = 0.0106,優性モデルOR 2.10 95%Cl 1.34-3.28 P = 0.0010).</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ