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抄録
<p> 38歳男性.約20年前から抗トポイソメラーゼI抗体陽性のdiffuse cutaneous systemic sclerosis(dSSc)にて他院で加療されていた.初診2ヶ月前より左前腕,手背,手指の腫脹・疼痛が出現し抗生剤の全身投与で治療されたが改善なく,疼痛が徐々に増強したため当院を受診され入院した.初診時,左手全体に著明な浮腫があり疼痛を伴っており,左手指PIP付近までの黒色壊疽を認めた.触診上左上肢は全体に冷たく,尺骨動脈,橈骨動脈触知困難であった.指尖潰瘍からの二次感染も否定できず広域抗生剤で治療開始した.血流障害による手指の壊疽が強く疑われたため,造影CT検査を施行し,橈骨動脈は手根骨レベルで,尺骨動脈は橈尺骨遠位端レベルでともに描出不良となっているのを確認した.上肢急性末梢動脈閉塞と診断し,直ちにプロスタグランジンE1の静注療法を施行したが効果は不十分であったため,プロスタグランジンE1,ウロキナーゼ,ヘパリンの持続動脈注入療法を開始した.治療開始数日後には著明な疼痛の改善を認めた.現在2クール目まで動注療法を行い,画像所見も自覚症状も改善している.dSScに合併する潰瘍は指尖部潰瘍が一般的であるが,患肢の急激な腫脹や疼痛を伴って末梢動脈閉塞症を生じることもあり,血管造影を含めた積極的な診断,治療を行っていく必要があると考えた.</p>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 39 (4), 430a-430a, 2016
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679630430976
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- NII論文ID
- 130005407959
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可