JATA(12)-VNTR型別による結核集団発生事例の菌株異同調査

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タイトル別名
  • EVALUATION OF JATA(12)-VARIABLE NUMBER OF TANDEM REPEATS AS A MARKER OF THE SOURCE OF TUBERCULOSIS OUTBREAKS IN OSAKA
  • JATA(12)-VNTR カタベツ ニ ヨル ケッカク シュウダン ハッセイ ジレイ ノ キンカブ イドウ チョウサ

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抄録

<p>〔目的〕結核菌遺伝子型別法として日本国内で標準法となりつつあるJATA(12)-VNTR型別の,結核患者複数発生事例における菌株異同調査法としての有用性を検討した。〔方法〕1999年4月から2011年12月に菌株異同調査依頼のあった結核患者複数発生事例のうち270事例643株を対象とした。菌株の異同の基準には詳細な型別能を有する26 loci-VNTRを用いた。〔結果と考察〕非集団感染64事例でJATA(12)-VNTR型が一致したものはみられなかった。集団感染206事例のうち185事例(89.8%)でJATA(12)-VNTR型が一致した。JATA(12)-VNTR型別で菌株の異同の判別が不能だったのは,12領域中1領域だけでの挿入数が異なった事例で,このような事例は集団感染事例の10.2%,集団感染ではなかった事例の1.6%みられた。全体として,結核患者複数発生270事例中248事例(91.9%)の菌株異同はJATA(12)-VNTR型別だけで正しく判定され,2領域以上の相違に起因する判定の齟齬は生じなかった。以上のことから,1領域違いの事例や地域的に多発する遺伝子型に注意して用いれば,JATA(12)-VNTR型別は結核患者複数発生事例の異同調査に十分有用であると示された。</p>

収録刊行物

  • 結核

    結核 88 (4), 399-403, 2013

    一般社団法人 日本結核病学会

参考文献 (12)*注記

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