色覚多様性の顕著な新世界ザル類に対する嗅覚受容体レパートリーの種間及び種内多様性解析

DOI
  • 直井 工
    東京大・新領域
  • Veilleux C. C.
    Department of Anthropology, University of Texas at Austin
  • Garrett E. C.
    Department of Anthropology and Archeology, University of Calgary
  • 松井 淳
    東京大・農学生命 ERATO 東原化学感覚シグナルプロジェクト
  • 新村 芳人
    東京大・農学生命 ERATO 東原化学感覚シグナルプロジェクト
  • Melin A. D.
    Department of Anthropology and Archeology, University of Calgary
  • 東原 和成
    東京大・農学生命 ERATO 東原化学感覚シグナルプロジェクト
  • 河村 正二
    東京大・新領域

書誌事項

タイトル別名
  • Inter- and intra-species diversity of olfactory receptor repertoire in New World monkeys with diverse color vision forms

抄録

<p>霊長類は3色型色覚の進化に伴い、嗅覚を退化させたと解釈されてきたが、近年の全ゲノムデータの整備に伴い、恒常的3色型色覚の狭鼻猿類と多型的色覚の広鼻猿(新世界ザル)類の間ではORの機能遺伝子数や偽遺伝子数に大きな違いがないことがわかっている。新世界ザルは食性や色覚の多様性が顕著であるため、嗅覚と食性や色覚との関連を検証するのに適している。しかし、全ゲノムデータの公開されている少数の種を除いて、新世界ザル類のOR遺伝子レパートリーは未解明である。そこで本研究は、新世界ザル全3科と多様な色覚型を網羅して、フサオマキザル(オマキザル亜科:3アリル2-3色型色覚)、セマダラタマリン(マーモセット亜科:3アリル2-3色型色覚)、アザレヨザル(ヨザル亜科:1色型色盲)、チュウベイクモザル(クモザル亜科:2アリル2-3色型色覚)、マントホエザル(ホエザル亜科:恒常的3色型色覚)、ダスキーティティ(ティティ亜科:3アリル2-3色型色覚)を対象に、各1個体の高純度ゲノムに対して、真猿類のOR遺伝子の全571orthologous gene groupのターゲットキャプチャーと次世代シークエンシングを行った。一方、種内変異を調べるために、ノドジロオマキザルとチュウベイクモザルの野生群を対象に、リガンド感受性の幅が異なることが他の哺乳類で知られている、一部のOR遺伝子(OR1A1,OR51L1,OR2A25)に対して、PCRとサンガーシーケンシングを行った。本発表ではその経過について報告する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205633801216
  • NII論文ID
    130005418790
  • DOI
    10.14907/primate.32.0_42_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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