屋久島のニホンザルの群れの行動圏の変化と個体数の減少
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- 西川 真理
- 京都大・理
書誌事項
- タイトル別名
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- Drastic change in home range location and group size of Japanese macaques in Yakushima
抄録
<p>一般に、ニホンザルは群れによって一定の地域を行動圏として利用し、各群れの行動圏は長期間にわたって安定している。しかし、近年、鹿児島県屋久島の西部低地域に生息する複数の群れにおいて、行動圏の場所が徐々に変化することが報告されている。本発表では、2004年から継続して調査している一群において、2015年から2016年の間に、行動圏の大きな変化と個体数の著しい減少が起きた事例について報告する。調査対象は屋久島の西部低地域に行動圏をもつE群である。調査は2015年2月~3月、および2016年3月におこなった。各調査期間において、群れの構成メンバーを記録し、GPS受信機を携帯した調査者がオトナメスを個体追跡することで得た位置情報をもとに行動圏を算出した。観察中に生じたエンカウンターの勝敗を記録した。また、2016年の調査では、これまでのE群の行動圏内でルートセンサスをおこない、発見した群れの識別および位置を記録した。E群の個体数は、2015年は20個体であったが、2016年には6個体に減少した。また、行動圏は2015年から2016年の間に、北に約1km移動しており、各期間の行動圏は重複していなかった。2015年は優劣が不明瞭なエンカウンターがあったが(N=3)、2016年にはすべてのエンカウンターで劣勢だった(N=2)。また、2015年以前にE群が利用していた地域は、別の群れが利用していた。E群は個体数の減少に伴い隣接群との競合に負け、それまで利用していた行動圏から移動せざるを得なくなったと考えられる。本調査地のように連続的に群れが分布し、行動圏の一部が重複する環境では、群間競合によって群れの行動圏は連鎖的に変化すると考えられる。短期間のうちに1kmもの行動圏の移動が生じたのは、移動先の地域に別の群れがいなかったことが考えられる。</p>
収録刊行物
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- 霊長類研究 Supplement
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霊長類研究 Supplement 32 (0), 54-54, 2016
日本霊長類学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680610570496
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- NII論文ID
- 130005418826
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可