グルコフラノース部位を持つ含フッ素フタロシアニンの合成と分光学的性質および光線力学的療法への展開

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タイトル別名
  • Synthesis and Optical Properties of Fluorine-Containing Phthalocyanine Conjugated with Glucofuranose and its Application to Photo-Dynamic Therapy

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抄録

<p>がんに対する光線力学的治療法は,がん集積性を示す光感受性物質にレーザー光照射下でエネルギーを与え,周辺のがん細胞を死滅させる治療法である。局所的レーザー光照射により,正常組織への障害を極力少なくできる治療法として重要である。今回われわれは,光感受性物質として,ペリ位がフッ素化され,かつ4つのグルコフラノース部位をもつ新しいフッ化フタロシアニン/グルコフラノース複合体1aを設計・合成した。1aは酢酸亜鉛(II)存在下,グルコフラノース部位をもつフッ化フタロニトリル4の四量体化によって合成した。1aの物理化学的性質は紫外線吸収スペクトル,蛍光スペクトル,MALDI-TOF MSから明らかにし,水・有機溶媒の分割係数も調査した。1aの光線力学的治療効果についてはHT-1080細胞を用いた試験により調べた。比較対象として,フッ素化を施していない化合物1bを用いた。その結果,1aは,非フッ化体1bに比べ,より効果的な光線力学的治療効果を示すことが判明した。</p>

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 89 (7), 213-218, 2016

    一般社団法人 色材協会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (2)*注記

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