道路空間の車道部における歩行者の滞留に関する考察

書誌事項

タイトル別名
  • Time-Spending Behavior by Pedestrians in Public Spaces
  • A Case Study of Marunouchi Naka-dori Street
  • 丸の内仲通りでの可動椅子設置の社会実験を事例として

抄録

本研究の目的は、広場的利用を促進するのに有効な手段であると一般的に言われている可動椅子・可動テーブルを歩行者天国の車道部に置いた場合、「実際にどのように使われるのか」について検証し、その有効性を確認することである。本研究では、社会実験の一環として東京都千代田区丸の内仲通りの車道部に歩行者の滞留の場を設け、平日及び休日のそれぞれ各1日における歩行者の属性、滞留時間、行為について観察調査を行う。調査の結果、以下が確認された。(1)平日と休日で差がある利用者、行為に柔軟に対応できている。(2)可動性は、需要と配置されたファニチュアの数の齟齬を解決する手段として機能している。(3)可動椅子は、ベビーカーなどを利用する家族にも柔軟に対応できている。以上、人数によらず、また多様な滞留者に対応できる公共的空間の滞留の場に可動椅子・可動テーブルが適していることが確認された。特に今回のように道路空間の車道部の場合、緊急時の通行等の妨げにもならないよう、手軽に持ち上げることができるファニチュアによって広場空間として滞留の場を設けることが重要であり、本研究でその有効性を確認することができた。

収録刊行物

  • 都市計画論文集

    都市計画論文集 51 (3), 1234-1240, 2016-10-25

    公益社団法人 日本都市計画学会

被引用文献 (1)*注記

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