心室細動を初発症状とした心アミロイドーシスの1例

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  • A case of cardiac amyloidosis with ventricular flutter of first symptom

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抄録

<p> 症例は79歳男性. 間質性肺炎加療中にステロイド精神病を発症し, 加療中に心室細動 (VF) となり自動体外式除細動器で蘇生された. 近医で冠動脈疾患は否定され, 完全右脚ブロックおよび軽度の左室肥大以外, 明らかな基礎疾患を認めず, 特発性VFなどが考えられた. 本人の精査希望なく, その後経過観察となっていたが, 経過中に心室頻拍を認めたため, 不整脈の原因精査目的に当科入院となった. 入院時の心電図で完全右脚ブロックを認めた. 電気生理学的検査で心室内に広範な低電位帯を認めたが, VFは誘発されなかった. 心筋生検でアミロイド沈着が認められ, 免疫染色からAAアミロイドーシスと診断された. 心アミロイドーシスによる心室細動と診断し, 植込み型除細動器植え込みを行った. 通常, 心アミロイドーシスは著明な心肥大や心不全により診断されるが, 今回, 心室細動を契機として診断された心アミロイドーシスの1例を経験したので, 若干の考察を加え報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 47 (SUPPL.1), S1_33-S1_37, 2015

    公益財団法人 日本心臓財団

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