ICD頻回作動時にVisible T-wave Altemansを認めたBrugada症候群の1例

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抄録

<p> 症例は31歳, フィリピン国籍の男性. 突然死の家族歴, 失神歴なし. 2012年4月仕事中に心室細動 (VF) となり, 自動体外除細動器で除細動不能であったため, 心肺蘇生下に救急搬送となった. 病院到着後体外除細動 (300J) 9回目で洞調律に復した. 心臓カテーテル検査, 心エコーで器質的心疾患を認めず, 心電図上V1, V2でcoved型のST上昇を認めたため, Brugada症候群 (BrS) と診断した. 第20病日に植込み型除細動器 (ICD) 移植術を受け退院となった. その後2013年5月一晩でVFに対して7回のICD作動を認めた. Bepridilの投与を開始したが, V1でcoved型ST上昇が顕在化したため中止した. その後2014年3月に4回/日のICD作動を認め, 入院の上amiodaroneの投与を開始したが, V1, V2でcoved型ST上昇が顕在化したため中止した. さらに入院10日目, 4回/日のICD適切作動を認めた. ICDの作動する前日とICD作動直後でvisible T-wave alternans (TWA) が確認された. また通常肋間での記録ではV2でのみで観察されていたTWAが, 第3肋間での記録ではV1~V3で認識可能となった. 本症例はBrSにおけるVisible TWAの出現とVFイベントとの関連を示唆する事に加え, 第3肋間での心電図記録が通常肋間よりも多くの誘導でTWAを検出できる可能性, すなわちBrSにおけるTWAの誘導特異性及びTWA検出効率を改善できる可能性を示唆し興味深い症例であると考えたため, 報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 47 (SUPPL.1), S1_145-S1_145, 2015

    公益財団法人 日本心臓財団

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