巨大災害時のガソリン不足に対する戦略とその社会経済評価:東日本大震災における実証分析

書誌事項

タイトル別名
  • POST-MEGADISASTER GASOLINE DISTRIBUTION STRATEGIES TO REDUCE SOCIAL-ECONOMIC LOSSES: LESSONS FROM THE GREAT EASTERN JAPAN EARTHQUAKE

抄録

東日本大震災では,石油精製・輸送施設の損壊を背景に,東北地域は長期にわたる深刻なガソリン不足に直面し,地域全体の社会・経済活動が大きく低下した.本研究では,ガソリン販売統計と港湾間の移出入統計を用いて東北地域における発災後一ヵ月間のガソリン需給ギャップを分析し,ガソリン不足の主要因が供給(輸送)戦略の失敗であったことを示す.その上で,日本海側港湾を活用してガソリンを早期に大量供給する輸送戦略を提案し,それによりガソリン不足がいかに軽減されるかを示す.結果として,提案輸送戦略に必要な追加的陸上輸送費用は高々2~3億円程度である一方,経済損失軽減効果は1500~2500億円に上ることを明らかにする.また,ガソリン価格の操作により経済損失の軽減を図る戦略は大規模災害時には不適当であることも論ずる.

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参考文献 (1)*注記

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