嚥下困難を主訴とした破傷風の1例

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • A tetanus patient complaining of dysphagia

この論文をさがす

抄録

嚥下困難感を主訴に受診した破傷風例を経験した. 症例は84歳男性, 2日前からの咽頭痛と嚥下困難感を主訴に前医から救急搬送された. 受診時に開口障害と嚥下障害を認めたが, 抗菌薬加療にても症状は改善しなかった. その後, 痙笑と下肢の痙直が出現し, 土との接触歴があったことから, 明らかな外傷はなかったが, 破傷風を疑い治療を行ない, 合併症なく改善した. 破傷風は疑わないと診断が困難な疾患であるが, 初期症状である開口障害や嚥下障害を主訴に耳鼻咽喉科を受診することがあり, 早期診断により重症化するまでに対処することが重要である. 若干の文献的考察を加えて報告する.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 28 (1), 83-87, 2015

    日本口腔・咽頭科学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ