冠動脈肺動脈瘻に併発した異常血管瘤破裂による心タンポナーデ症例

DOI
  • 小松 稔典
    長野赤十字病院循環器病センター 循環器内科
  • 浦澤 延幸
    長野赤十字病院循環器病センター 循環器内科
  • 吉岡 二郎
    長野赤十字病院循環器病センター 循環器内科
  • 戸塚 信之
    長野赤十字病院循環器病センター 循環器内科
  • 宮澤 泉
    長野赤十字病院循環器病センター 循環器内科
  • 臼井 達也
    長野赤十字病院循環器病センター 循環器内科
  • 小林 隆洋
    長野赤十字病院循環器病センター 循環器内科
  • 持留 智昭
    長野赤十字病院循環器病センター 循環器内科
  • 柏木 大輔
    長野赤十字病院循環器病センター 循環器内科
  • 坂口 昌幸
    長野赤十字病院循環器病センター 心臓血管外科
  • 高野 環
    長野赤十字病院循環器病センター 心臓血管外科
  • 寺崎 貴光
    長野赤十字病院循環器病センター 心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of cardiac tamponade caused by the rupture of aneurysm complicated with coronary-pulmonary artery fistula

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抄録

<p> 症例は46歳, 男性. 胸痛, 冷汗を主訴に当院へ救急搬送された. ショック状態で, エコー所見より心タンポナーデと診断し心嚢ドレナージを施行したところ循環動態は劇的に改善した. 心電図より急性心筋梗塞による心破裂を疑い, 緊急冠動脈造影を施行した. 冠動脈に狭窄・閉塞病変はなく, 左前下行枝・右冠動脈から肺動脈瘻と考えられる異常血管と瘤形成を認め, 左前下行枝からの異常血管瘤 (径30×36mm) の破裂所見を認めた. 緊急手術を施行し, 異常血管瘤は左前下行枝近位部にあり周径の1/3が石灰化しており, 心筋側に大量の血栓が認められた. 血栓を取り除くと7mmほどの裂孔があり破裂部位と推定された. 心停止下に瘤切除と異常血管の結紮を行った後, 左前下行枝にバイパス術を施行した. 右冠動脈の異常血管は小動脈瘤を伴い, 肺動脈への瘻孔を3箇所認め縫合閉鎖した. 切除した瘤の病理所見では内弾性板が広範囲に消失し, 内膜から中膜は厚い硝子様線維組織に置換されていた. 術後の冠動脈CTでは, 術前には確認できなかった多数の異常血管を認め, 1本は左鎖骨下動脈から心臓へ向かっており, 径7~9mmの瘤も散見された. また, 大動脈より起始する異常血管も複数認められた. 術後経過は良好で31日目に独歩退院した.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 48 (3), 299-304, 2016

    公益財団法人 日本心臓財団

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