B前駆細胞性急性リンパ性白血病と診断された難治性小児double-hit lymphoma/leukemia

  • 植村 優
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 長谷川 大一郎
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 横井 健人
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 二野 菜々子
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 太原 鉄平
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 田村 彰広
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 齋藤 敦郎
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 神前 愛子
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 岸本 健治
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 石田 敏章
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 川崎 圭一郎
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科
  • 山本 暢之
    神戸大学大学院医学研究科 小児科学分野
  • 森 健
    神戸大学大学院医学研究科 小児科学分野
  • 西村 範行
    神戸大学大学院医学研究科 小児科学分野
  • 小阪 嘉之
    兵庫県立こども病院 小児がん医療センター血液腫瘍内科

書誌事項

タイトル別名
  • Refractory double-hit lymphoma/leukemia in childhood mimicking B-precursor acute lymphoblastic leukemia at initial presentation
  • 症例報告 B前駆細胞性急性リンパ性白血病と診断された難治性小児double-hit lymphoma/leukemia
  • ショウレイ ホウコク B ゼンク サイボウ セイキュウセイ リンパセイ ハッケツビョウ ト シンダン サレタ ナンチセイ ショウニ double-hit lymphoma/leukemia

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抄録

<p>症例は10歳女児。左頬部腫瘤と歯肉腫脹,末梢血中の異常細胞の出現を主訴に当院紹介入院となった。骨髄検体による表面マーカー検査ではCD10,19,TdT,HLA-DR陽性,CD20陰性でありB前駆細胞性急性リンパ性白血病(BCP-ALL)と診断した。BCP-ALL型の治療を開始したが,末梢血中の白血病細胞は残存していた。寛解導入療法終了時の骨髄検体による表面マーカー検査ではCD19,CD20,HLA-DR陽性でCD10,TdT陰性で形態学的にも初診時と異なる白血病細胞が81.3%占めていた。染色体検査の結果,IgH/BCL2Igλ/C-MYCの転座を伴うdouble-hit lymphoma/leukemia(DHL)と診断した。Rituximabを用いた治療により一旦寛解に至ったが,治療中に骨髄および中枢神経再発を認めた。化学療法を継続したが,再寛解に至らず髄外病変も再度出現した。再発時は初診時と同様の表面マーカーをもつ白血病細胞が出現していた。非寛解状態で臍帯血移植を行ったが,移植後44日目に原病により死亡した。小児期発症のDHLは極めて稀で,成人では進行が急速かつ治療抵抗性と言われており予後不良である。今後,治療法の確立が望まれる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (2), 143-149, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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